※下記内容の主な部分は、2009年9月28日(月)に日経CNBCにて放送されたものです。
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株式投資する際に、みなさんはどういったものを基準に判断していますか?
PERやPBRなど株価の割安さに着目して投資判断している方は多いかと思いますが、目線を変えてみると、株価指標だけからは分からない視点が見えてきます。
PBRやPERなどは、“定量的”な割安度を知るための株価指標です。「PERが15倍以上の会社は割高」ですとか、「PBRが1を割っている会社は割安」といったふうに利用します。しかしこれは、所詮程度論にすぎません。
一方で、ビジネスモデル(収益モデル)の進化に着目することで、会社の“定性的(質的)”な面を知ることができます。
定量的な割安度を見ることはひとつの目安ですが、収益モデルが変化し、会社のステージが一段上に上がるタイミング、という大きな質的な変化をとらえた方が、より確実な投資判断を行うことができるのではないでしょうか。
さて、収益モデルには4つのパターン(進化の過程)があります。

まずは、「フロー型」です。
これは、スポット型とも呼ばれます。サービスを提供するごとに、お金が入ってくるパターンです。小売、卸売りや、コンサルティングなどがこれに含まれます。一番未熟なモデルと言ってよいでしょう。
そして、「ストック型」です。
これは、フロー型よりも“強い”モデルです。一度契約すると、その後ずっとお金が入ってきます。民放は違いますが、HNKがそのモデルですね。保険や、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)もこのモデルに入ります。
“サービス”に対してお金が入ってくるのが、上記2点のモデルです。
「エクイティ型」はどうでしょう。
これは、“サービス”ではなく、“提供した価値”・“成果”に連動してお金が入ってくるモデルです。PPV(ペーパービュー、Pay Per View、CS放送などの有料放送のコンテンツを、番組単位で購入して視聴するシステム)で番組制作会社からお金をもらうメディアや、投資先の会社が収益が上がると儲かる投資ファンド、各店舗の収入に連動したテナント料を得る渋谷109などがこれにあたります。
さらに“強い”モデルは、「乗数型」です。
これは、覚えておくと良い言葉・「ネットワーク外部性」に依存するモデルです。参加する人・会員が増えれば増えるほど、収入のチャンスが増えるモデルです。ファックスや電話、モバゲーなどのモバイルコミュニティが当てはまります。ファックスは1人だけが持っていても意味がないですよね。参加する人が増えれば増えるほど、コミュニケーションが乗数的に膨らみます。ミクシィの時価総額が大きいのはそのためです。今Twitterが流行っていますが、普及すればさらに収益を生み出す可能性が高まります。
ではここからは、具体的に銘柄を見ていきたいと思います。
今回取り上げるのは、ジャスダック上場のスターツ出版です。
スターツ出版は、不動産の管理・建設・請け負いなどを行うスターツコーポレーションの子会社で、コミュニティー誌の発行を目的に1983年に設立されています。女性向け情報誌「オズマガジン」などの雑誌の販売のほか、女性向けのポータルサイト「オズモールOZmall」の運営も手掛けています。
さて、このスターツ出版では、今どういったビジネスモデルの変化が起きているのでしょうか?
これまで紙ベースの雑誌の売上の比率が高かったのですが、年々、インターネットWEBサイト(オズモールOZmall)の比重が高くなってきています。このOZmallでは、バナー広告で収入を得ていましたが、最近、送客(そうきゃく)モデルへとシフトしてきています。

バナー広告の収益構造は、限定的です。一方、送客モデルは、サイトを通じてホテルなどを予約した顧客の払った代金の数%を、手数料収入として受け取る仕組みです。「ぐるなび」などとは異なり、お店の情報を掲載できるだけでなく、サイト上でユーザーがお店のサービスに申し込みができるので、送客のトラッキングが可能です。OZmallが展開するサイトは、カップルの記念日向けなどアニバーサリー色の強いサービスを展開しているため、予約率も高いのです。
スターツ出版は、このようにバナー広告で収入を得るモデル(フロー型およびストック型)から送客モデル(エクイティ型)へと、ビジネスモデルが質的に変化してきている特徴があります。
株価を見ていただく(スターツ出版の株価チャート/ヤフーファイナンス)と、堅調に推移していることが分かります。大きくビジネスモデルが生まれ変わり、構造が抜本的に変化していることが、株価に影響を与えていると考えられます。
今回はスターツ出版を例に挙げましたが、ビジネスモデルの変化に着目した場合に投資妙味のある銘柄は、他にはどのようなものがあるでしょうか。
誰もが一度はネットショッピングで利用したことのある楽天や、国民の3分の1が使っていると言われるツタヤカードのツタヤは、エクイティモデルから乗数モデルに変わっていると考えられます。
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